【ひとりで生きる覚悟】不安?寂しい?それとも・・あの方の書籍を読んで・・ヒロシです・・

芸人と社会学者と医者と仏教と

「誰でも一人で逝くんです」

芸人兼ソロキャンプ YouTuber のヒロシさんをご存知でしょうか。かつて「ヒロシです」で一世風靡したあのヒロシさんです。この方の「ひとりで生きていく」という本を読んでみました。単に感銘を受けただけでなく、「これから先の人生」や「人生の折り返し」或いは「人生の生きにくさ」において非常に思慮深く、また個人的には「人生100年時代」を如何にして生き抜くかのバイブルと言ってもいいでしょう。

今回は数冊の書籍から読み取れる「人生訓」を紐解いて、これからの人生をゆる~く、そして安心して歩んで行く為の秘策を見つけ出したいと思います。

ひとりで生きていく秘訣

「人間関係こそ最も面倒くさいものだ」と考えている人は多いのではないでしょうか。勿論ヒロシさんもその一人で、このブログを書いている私もその一人。彼はひとりで生きるとは?との問いに「ひとりで生きる。それは旅をするように生きるということ」と答えています。

当然の事ながら人間はひとりで生きていく事はできません。家族や職場、学校、地域社会との「しがらみ」は付きものです。そんな中で彼は「人間関係は流動的なもの」と捉え、強くつながった人間関係を信じる事は危険だと感じています。そこにはヒロシさんの「苦しい思いをせずに生きるという哲学」を垣間見る事ができる気がします。旅をするように生きる・・何か気が楽になりませんか?

更にこんな事も言ってます。「置かれた場所に固執すべきではない」と。正直しんどい時って誰にでもありますよね。原因はどうあれ心や体がボロボロになるまで頑張るよりは、戦わないで済むイージーな環境に逃げるのも大事な事。その環境で花咲く事もあります。ヒロシさんは趣味のソロキャンプを活かしたYouTubeで成功を収めていますから。その秘訣は同時にたくさんの種を蒔くことで、必要とされている場所は一つではありません。何となく水を与えていれば一つぐらいは芽が出るもの。そして芽が出たら集中的に水と栄養を与え育ててあげればいい。決して不可能ではない。

人付き合いが苦手だったり、群れるのがしんどかったり、ひとりで行動する事が好きな人はきっと共感する事でしょう。現在置かれている立場が辛かったり、不安だったり、悩んでる方には是非いちど手に取ってゆる~く読んでみる事をお勧めします。

アドラー心理学

ベストセラーにもなった「嫌われる勇気」で注目されたアドラー心理学。「すべての悩みの原因は対人関係にある」と断言しています。よ~く考えれば当たり前の事なんですけどね。

この書籍では人生を幸せに送るためのエッセンスが書かれています。それは①承認欲求と競争意識を捨てる②自分自身と他人の課題を分離する③貢献意識を高く持つ

この考え方と「ヒロシ的思考」がプラスされれば鬼に金棒といった所でしょう。生きずらさを取り除き、ひとりで生きていく勇気が養われる気がします。

将来不安だらけです・・

「死別」「未婚」「離婚」「介護負担」「価値観の違い」等から「ひとりで生きて行く」事を余儀なくされる方、選択される方も多くいる事でしょう。年齢が上がるにつれその割合は大きく、自分自身のゴールに向かって試行錯誤する事と思います。但しその決断には大きな壁が存在します。まずは現役世代が最も恐れる共通項年金。諸悪の根源である「お金」です。なかなかの強者ですね。一人で生きる上では強い味方であり、大体の問題は解決する事でしょう。しかしこれから老後に向かって生きていく者にっては非常に高く恐ろしい壁。2,000万円問題が話題になって久しい2023年。解決の糸口さえ何処へやら・・・。

そして健康。年を重ねるにつれジワリジワリと追い詰められてきます。いっその事コーナーポストに追い詰めたら一気に勝負をつけて欲しいと自分自身の体については思う所ですが、現代の医学がそうはさせてくれません。・・今から心配で病気になりそうです。「少子高齢化」「巨大地震」「GDPマイナス成長」「移民国家」。白目を剥いて倒れそうです。

あまり期待の出来ない将来の日本ですが、次に老後における「ひとりで生きていく」為の秘訣を見ていきたいと思います。

不安を和らげる「魔法の言葉」

時に人間という生き物は単純なもので、ちょっとした出会いで喜怒哀楽を感じます。老後に関しては漠然と「哀」しか思い浮かびませんよね。大多数の人は。しかしながら、下記の方々は往々にしてプラス思考を前面に出しています。「喜」と「楽」。ひとりで生きていく事への処方箋になるかも知れません。

ー社会学者 上野千鶴子ー

「家族と一緒にいる事が幸せであるとは限らない」「在宅ひとり死のススメ」「金持ちより人持ち」

ベストセラー「おひとりさまの老後」の著者。元東京大学大学院教授で「女性学・フェミニズム・ジェンダー」の研究者であり、「高齢者の介護とケア」にも精通しています。またテレビ出演や講演など多方面で活躍されています。

実はこの方八ヶ岳南麓(なんろく)の山梨県北杜市(ほくとし)と東京で二拠点生活をしています。講演も北杜市で何度か行われているのを最近知りました。「北杜を愛して選んで移住してきた人達が、どうすればフレイル期以後も自宅で住み続ける事が出来るのか」を考えながら、一緒に伴走しているとても心強い方なのです。北杜市の図書館ではこの方の著書は「北杜ゆかりのコーナー」に置いてある程です。またYouTubeで老後に関する講演の様子を拝見ましたが、非常にウィットに富んだ分かり易い内容になっていて、しかも京都弁の親しみ易さと愛嬌が非常に魅力的です。

詳しく解説はしませんが、上野先生は人生満足度が非常に低いと言われる「ミドルエイジ」に対して頼もしい助言をしています。「ピンピンコロリ」でいの一番に逝くのが理想ですが、ひとりで生きる事になった暁には、この書籍をバイブルに覚悟を決めようと思います。


ー医師 辻川覚志ー

「老後はひとり暮らしが幸せ」

開業医をしている辻川医師がデータを基に導き出した結論です。「不安」は原因が分かれば解消し、「寂しさ」は時間経てば必ず慣れます。エビデンスに裏打ちされた答えなので非常に信頼できる書籍だと思います。ちなみに2人暮らしが一番満足度が低いそうです。

ーブッダの教えー

「老いるまま平穏に生きる」

仏教が説く幸せの状態です。平穏の心を仏教では寂静(じゃくじょう)と言うそうですが、つまり何事にも執着せず穏やかに生きる事が幸せの根源であると。仏教の創始者ブッダが悟った事は「老病死」から逃れる事が幸せなのではない。それは若さへの執着、健康への執着、生への執着。執着心がある限り苦悩は消えません。何故なら苦悩の根源は執着であるから。仏教のいう「幸せ」とは、ありのままを享受し平穏に生きる事であるというのは理解できますが、果たして一般人に乗り越えられる壁なのだろうか?といった疑問はちょっと残りますけど。

まとめ

個人的に胸に突き刺さった書籍「ひとりで生きていく」。私自身、ヒロシさんとは同年代、団塊ジュニア世代。この年代の特徴は異常なまでに幸福度が低い事。何故なら世代人口の多い最後のボリュームゾーン故、必然的に競争が激しい上に「バブルの恩恵にあずかる事もなく就職氷河期」、「失われた30年」そして「厳しい老後生活」という荒波が訪れようとしています。当然の事ながら不幸度ランキング堂々の1位を獲得!(2022年週刊SPA)

そんな時代を共に生き抜いてきた同世代にどうしても感情移入してしまいます。「人生の豊かさ」なんてじっくり考える暇もなく突っ走ってきた思いに駆られます。最近では異次元の少子化対策が叫ばれていますが、子育ての終わった団塊ジュニア世代の心中たるや・・・。

大分話が横道に逸れましたね。

「ひとりで生きていく」の著書の中でヒロシさんは絶えず「無理をしないで」「自分らしく過ごす」事がひとりで生きるコツなんだとメッセージを送っています。それは全世代にわたって共感できる言霊、そんな書籍だと思います。所詮、最後はひとりで死んでいくんですから。誰も一緒に逝ってはくれません。であればより一層ヒロシさんの言う「自分らしく」といったメッセージが生き生きと輝いて見える事でしょう。

「自分らしく生きる・・」最後はひとり・・・。正解のない未来。そんな事を考えていたら「あの方」の言葉がふと降りてきました。

この道をゆけばどうなるものか。危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ、行けば分かるさ!ダーッ!」「元気ですかー!元気があれば何でも出来る!

そう言えば「愛犬と田舎で暮らす」想いに背中を押してくれたのがこの言葉だったな~。そしてしみじみと10年後の未来に思いを馳せるのでしたm(__)m